口内炎は舌や口唇の裏側、あるいは頬粘膜(ほほの内側の粘膜)、口腔底(歯茎と舌の間の粘膜)などに起こる炎症性疾患の総称で、誰でも経験があると思います。
一般的によく見られるのは数mm程度の粘膜の浅い潰瘍状のもので、表面が白くなっているものです。アフタ性口内炎と言います。
物理的な刺激
誤って口の中の粘膜を噛んでしまった。
歯ブラシで傷がついた。
合わない義歯の長期使用による慢性的な刺激。
感染
ウイルス:ヘルペスウイルス、ヘルパンギーナ、手足口病、麻疹、風疹、など
真菌(かびの一種)、細菌
金属アレルギーなど
全身疾患の一症状:ベーチェット病など自己免疫異常の病気
薬物アレルギー
抗がん剤の副作用
食物や歯ブラシなどが少し触れただけでも強く痛みます。
食事の際に痛みがあり、食事がし難いこともあります。特に、刺激の強い物や熱い物がしみることがあります。
・しょうゆや香辛料、たばこ、お酒など刺激物を控える。
・うがいや歯磨きを行い、口の中を清潔に保つ。
・歯磨きの際に口内炎の部位にブラシが当たらないように気をつける。
ヘルペスや細菌、真菌の関与が明らかな場合、あるいはベーチェットなど原因疾患が確定している場合は、それぞれに対する治療を行います。
一方、アフタ性口内炎など明らかな原因がない場合には、ステロイドの軟膏を塗布して治療します。また、食事の後などには口の中を清潔に保つことように心がけましょう。
ビタミンB2やB6が不足していると治りにくい場合もあり、これらをお薬で補うこともあります。
<治りが悪い場合には口内炎ではないこともあり、注意が必要です>
口内炎はほとんどの人は経験がある、非常に一般的な疾患です。通常、アフタ性口内炎は1~2週間で治ります。
著名人の方が口内炎が治らず、実が舌癌だったということがありました。
なかなか治らず、むしろ次第に病変が大きくなる場合、触ると周辺が“しこり”のように硬くなっている場合には癌の可能性を疑わなければいけません。
様子を見ていてもなかなか治らない、口内炎の治療していても改善しない。このような場合は、通常よくあるアフタ性口内炎でない可能性もありますので、躊躇せずに医療機関を受診して下さい。
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