新型コロナウイルス オミクロン株について現時点でわかっていること
2021年12月30日
2021 年11 月に南アフリカの新型コロナウイルス感染者から分離されたウイルスが、従来のデルタ株などのウイルスとスパイク蛋白の構造に変異があり、オミクロン株と言われるようになりました。
その後、急速に世界の多数の国から感染例が報告され、市中感染が疑われる事例も報告されています。
オミクロン株の特徴の一つは、感染が広がるスピードが速いと言うことでしょう。
南アフリカで最初に報告されて以後、急速にヨーロッパやアメリカなどで多数の感染者の報告があり、アジアでも感染例が出ています。そして、日本でも徐々に感染者数が増加している報道されており、さらに感染経路の明らかでない市中感染と考えられる症例の発表もありました。
このように、オミクロン株は従来のウイルスより感染、伝播のスピードは速いと考えられています。
現在のところ、重症例や死亡例の報告は少なく、従来株より重症化する割合は低いのではないかと言われていますが、今後の報告を待たないと正確なところはわかりません。
個人の基本的な感染対策としては、従来と同様に、3密の回避、特に会話時のマスクの着用、手洗いや手指の消毒などの徹底が非常に大切です。
さて、新型コロナワクチンのオミクロン株に対する効果はどうでしょうか?
現在日本で使用されている新型コロナワクチンはファイザー社製とモデルナ製です。
両者ともそれぞれのワクチンのオミクロン株に対する効果について、実験で検証しています。
その結果、両ワクチンとも2回接種では、ウイルスの働きを抑制する中和抗体は、デルタ株など従来のウイルスに対する場合と比べ減少していました。
しかし、3回目の追加接種を行うと、中和抗体は2回接種の場合より大幅に増加し、従来のウイルスに対する効果と同じ程度に高まっていたと、発表しています。
また、アメリカ、イギリスの大学研究者も同様に報告しています。
残念ながら、実際に3回目の追加接種を受けた人のオミクロン株に対する効果がどうかという報告は見られませんが、上記の結果を考えると、ワクチンの3回目接種を行う方が、少なくとも2回接種で終了するより良いと考えられます。
ワクチン接種の決定は、勿論本人の意思ですので、強制されるものではありません。しかし、いろいろな情報が溢れていますので、間違った情報やデマに惑わされないようにしてください。厚生労働省や自治体のHP、公的研究機関の情報など、確かな情報を元に判断すようにお願いいたします。