新型コロナウイルス感染後の嗅覚障害、味覚障害について
2022年3月9日
新型コロナウイルス感染の第6波が始まって約2か月くらい経ちます。少しずつ新規感染者数は減少してきていますが、なかなか思ったように減っていません。
コロナウイルス感染症の後遺症として、嗅覚障害、味覚障害がよく言われます。
日本耳鼻咽喉科学会の2021年2月~5月の調査では以下のような報告が出ています。
嗅覚障害のみが20%、味覚障害のみが4%、嗅覚・味覚両方の障害が37%でした。(嗅覚、味覚とも障害がなかったのが39%)
しかし、味覚障害を自覚する方の多くは、味覚検査では正常を示しており、味覚障害例の多くは覚障害に伴う風味障害の可能性が高いと、述べています。
発症後1か月後までに嗅覚障害の約60%、味覚障害の約84%が自然に改善していました。
嗅覚障害、味覚障害を感じて、1か月経過しても改善しない場合は治療が必要と考えられます。新型コロナウイルス感染症の後遺症としての嗅覚、味覚障害に対する特別な治療方法は現在のところ報告されていません。通常の風邪の後にも同様な症状が出ることはありますので、通常その場合に準じた治療を行います。
このような後遺症がある方は、耳鼻科でご相談ください。